2.植物の世界
(11)おいしい植物の世界
(13)植物で健康シリーズ! 薬の世界
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(686)新茶をつもう! (八十八夜だ!)
「さあ! 行こう! 行こう! ルンルンルンだね⋯⋯。♪夏も近づく⋯⋯♪」
「うわあー! 緑がとてもきれいですね。お茶畑ですね。」
「お天気もよくて最高だ。気持ちいいね。あれ、モンタ博士がまた歌を⋯⋯。」
「『♪夏も近づく八十八夜⋯⋯♪』さあ! みんなでお茶の葉をつもう。」
「わーい。今日はお茶つみをするんですね。うれしいなあ。」
「ぼくも楽しいけど、八十八夜って、何だろうなあ。」
「今日は5月2日。立春から数えて88日目なんだよ。だから、茶つみなんだ。『♪野にも山にも若葉が茂る♪』と歌っているだろう。あちこち、緑がいっぱいになって、冬の間に養分をたくわえたお茶の木が芽ぶいたんだ。」
「その新しい芽をつむんですね。」
「そうだよ。今つむお茶を新茶とか一番茶というんだよ。おいしいんだよ。」
「なぜ、今つむお茶はおいしいのですか?」
「それはね、栄養があって、新茶を飲むと病気にならないとか、長生きできると言われているんだよ。まあ、むずかしく言うとね、カテキンやカフェインが少なく、苦さやしぶさもなく、テアニンというものがあって、うまみがあるんだよ。」
「カテキン、カフェイン、テアニン? 何だ、それ? まあ、うまければいいさ。」
「ともかく、おいしいということですね。その新茶をつむということですね。」
「では、まずは、オー君が最初につまんで、それから、五感を使ってみます。」
「どうだね。新茶、一番茶は?」
「あっ! 若葉のさわやかな感じで、すがすがしい香りが、とてもいっぱい、てんこ盛りです。」
「わたしもね⋯⋯、あっ! 本当だ。オー君の食レポどおりですね。」
「では、新茶を今からつむことにしよう。でも、その前につみ方を教えよう。」
「えっ! 勝手につんではいけないのですか。早くつみたいです。」
「まあまあ、そんなにあわてない。まず、新茶つみは『一芯二葉』と言ってね。お茶には、先に『芯』という、まだ開いていない芽の状態があるんだ。それとその下の2枚の葉を合わせて『一芯二葉』と言うんだよ。生まれたてで、とてもやわらかい部分で、すごくおいしいよ。」

(一芯二葉)
「つまり、新茶は、一芯二葉でつむわけですね。」
「でも、新茶をつんだ後は、どうなるの。お茶つみはそれで終わりなの。」
「そうだね。よいところに気がついたね。新茶は、甘みの強いおいしいお茶になるけど、その後もお茶は成長して、次から次へと葉を出すんだ。新茶、つまり一番茶に対して、2回目につむのを二番茶というんだ。二番茶は、一番茶よりも気温が上がっている時期なので、生育が早く、たくさん取れるけど、栄養が少なく風味も落ちるそうだよ。」
「ということは、ちょっぴりしか取れない新茶って、とてもぜいたくなお茶ということですね。」
「そんなにぜいたくなお茶をつめるなんて、とてもうれしいことですね。ところで、今、二番茶とかの説明がありましたが、三番茶・四番茶とかもあるんですか。それから、つむ時期というのは決まっているのですか。」
「それも伝えなくていけないね。一番茶とは4月下旬~5月中旬、二番茶とは6月上旬~7月上旬、三番茶とは7月末~8月上旬、4番茶とは9月~10月で、秋冬番茶とも言うんだよ。」
「なるほど、そういうことですか。つまり、お茶は1年間に4回もつむということですね。」
「そういうことだね。ところで、モンタ博士も新茶がつめたよ。それでは、今から新茶をいただくことにしよう。」
「すぐに新茶が飲めるのですか。」
「まあ、いろいろとやってみようじゃないか。実験みたいにあれこれチャレンジしてみよう!」
文部省唱歌の『茶摘』の「あかねだすきにすげの笠」って、何だ?
アカネとは植物の名前で、根が赤いのが特徴です。漢字では茜と書きます。茜色というのは、夕焼け空の表現として用いられます。ややオレンジ色をした根を煮て染料として使います。アカネは昔から止血剤として有名でした。昔から茶摘みは素手で行うので、指先に怪我をすることも多く、止血剤の効果のあるアカネのエキスを練り込んだ襷には、先人の優しさが含まれているのです。なお、現在の襷とは、駅伝などで選手が、次の選手に受け渡しをするものです。昔は和服の人が多かったので、着物の袖が襷で邪魔にならないようにしていたのでしょう。
また、すげの笠とは、日本の河川や沼地に繁茂するカヤツリグサ科の植物の名前です。この草を採集し、良く乾かし叩いて繊維をほぐして柔らかくし、笠の他に蓑や縄などを作るのにも使いました。昔話の「かさこじぞう」に出てくる笠も、天狗が着ている「みの」も、すげを材料としています。