新てくてく自然散歩

４．自然界（しぜんかい）のつりあい・環境保全（かんきょうほぜん）・地質（ちしつ）と地形（ちけい）の世界（せかい）
　（2）外来種（がいらいしゅ）

（685）帰化（きか）植物（しょくぶつ）人気（にんき）投票（とうひょう）総選挙（そうせんきょ）（調査（ちょうさ）用紙編（ようしへん））

「帰化（きか）植物（しょくぶつ）については、前回（ぜんかい）いろいろとお話（はな）しして、『帰（き）化（か）植（しょく）物（ぶつ）人（にん）気（き）投（とう）票（ひょう）総（そう）選（せん）挙（きょ）』をやろうと決（き）まったけど、何（なに）をどうやったらいいのかな。まず、人気投票総選挙って、どういうものなの。」

「えっ！モンタ博士（はかせ）知（し）らないの。有名（ゆうめい）な人気（にんき）アイドルグループの中（なか）で誰（だれ）が一番（いちばん）人気（にんき）があるかを決（き）めるイベントなんです。」

「モンタ博士（はかせ）は、あまりテレビとか見（み）ないのですか？」

「見（み）ることは見るけど、アイドル番組（ばんぐみ）はあまり見ないんだ。だいたい分（わ）かったけど、どうやればいいのかな。チンプンカンプンだよ。」

「セイヨウタンポポとか、オオイヌノフグリは帰化（きか）植物（しょくぶつ）だというのは、知（し）っていますが、それ以外（いがい）に、きれいで、かわいくて、ステキで、姿（すがた）や形（かたち）が美（うつく）しく、人気（にんき）のある帰化植物って、どんなものがあるのかな。」

（セイヨウタンポポ）　　　　（オオイヌノフグリ）

「そうだ。この前（まえ）、花（はな）ちゃんに教（おし）えてもらった、ナガミヒナゲシ、マツバウンラン、セリバヒエンソウ、ユウゲショウって、とてもきれいだと思（おも）ったけど、それ以外（いがい）となると、よく知（し）りません。」

「モンタ博士（はかせ）！他（ほか）にもいろいろとステキな帰化（きか）植物（しょくぶつ）ってあるのですか。」

「あるある。いっぱいあるよ。たくさんあると思（おも）うよ。」

「この『帰化（きか）植物（しょくぶつ）人気（にんき）投票（とうひょう）総選挙（そうせんきょ）』って、名前（なまえ）は知（し）らないけど、帰化植物には、かわいかったり、美（うつく）しいと感（かん）じたりするものがたくさんあるよ、ということを知（し）ってもらうためにやるんですよね。」

「そうね。植物（しょくぶつ）を勉強（べんきょう）したり、観察（かんさつ）したりするのが好（す）きな人（ひと）に、いろいろと聞（き）けばいいんじゃないかな。」

「そうだ。ぼくの友達（ともだち）で、植物（しょくぶつ）大好（だいす）き人（にん）間（げん）があちこちにいっぱいたくさんいるから、その人（ひと）たちに協力（きょうりょく）してもらえばいいんだ。そうしよう。」

「つまり、どうするのですか。」

「そうだ。『好（す）きな帰化（きか）植物（しょくぶつ）の名前（なまえ）を書（か）いて！』だけでは、統計（とうけい）が取（と）りにくいので、モンタ博士（はかせ）が、独断（どくだん）と偏見（へんけん）でリストアップするよ。」

「その後（あと）、どうするのですか。」

「いろいろな植物（しょくぶつ）研究（けんきゅう）グループの人（ひと）に投票（とうひょう）してもらっては、どうだろうかな？」

「何（なん）だかとても楽（たの）しくなってきましたね。よろしくお願（ねが）いします。モンタ博士（はかせ）！」

「よーし。まかせてね。よーし、はりきって作（つく）るぞ！投票（とうひょう）用紙（ようし）！」

⋯⋯それから、数日後（すうじつご）、喜（よろこ）びいっぱいでにこにこ顔（がお）のモンタ博士（はかせ）が⋯⋯。

「よし！できたぞ。『帰化（きか）植物（しょくぶつ）人気（にんき）総選挙（そうせんきょ）』の投票（とうひょう）用紙（ようし）。見（み）てちょうだい。」

※下の表をクリックすると、拡大（かくだい）したり、印刷用（いんさつよう）のファイル（P（ピー）D（ディー）F（エフ））が表示（ひょうじ）されます。

「わたしの知（し）っている帰化（きか）植物（しょくぶつ）もあって、うれしいです。」

「でも、ぼくはあまり分（わ）からないよ。いや、セイヨウタンポポやハルジオン、シロツメクサは見（み）たことあるよ。それから、メマツヨイグサは、夏（なつ）の夜（よる）に、黄（き）色（いろ）い花（はな）を咲（さ）かせるお花でしょ。」

「オー君（くん）もよく知（し）っているじゃないか。感心（かんしん）だよ。この投票（とうひょう）は、植物（しょくぶつ）の研究（けんきゅう）をしている人（ひと）たちにやってもらうんだから、いいんだよ。つまり、みんなに見（み）てもらい、知（し）ってほしいなあという、そういう人気（にんき）投票（とうひょう）なんだよ。」

「いつから、この『帰化（きか）植物（しょくぶつ）人気（にんき）投票（とうひょう）総選挙（そうせんきょ）』を行（おこな）うのですか。」

「いろいろな観察会（かんさつかい）があちこちであるから協力（きょうりょく）してもらおう。それから、モンタ博士（はかせ）の尊敬（そんけい）する、横浜（よこはま）国立（こくりつ）大学（だいがく）名誉（めいよ）教授（きょうじゅ）の奥田（おくだ）重俊（しげとし）先生（せんせい）にも、投票（とうひょう）用紙（ようし）などもきちんとチェックしてもらい、最高（さいこう）のものを作（つく）り上（あ）げていくよ。」

「モンタ博士（はかせ）!どうかよろしくお願（ねが）いします。結（けっ）果（か）発（はっ）表（ぴょう）を楽（たの）しみにしています。」

帰化率って何だろう？

　ある地域のフロラ（植物相）について、そこに繁茂する全植物種数に対する帰化植物の種数の割合を「帰化率」と言います。帰化率は、水田、河川、路傍などのような狭い範囲の植物群落について用いられるが、一つの町・村・市・区・県などの行政レベルでも用いられる場合もあります。帰化植物は環境が破壊された空き地などに繁茂・生長するものが多く、帰化率は環境を考える場合の一つの指標になるのではないかとも言われています。
　下記のグラフは、東京都多摩市（近田文弘2002）、三重県（太田久次2002）の帰化率の推移です。

（平凡社：日本の帰化植物より）