2.植物の世界
(1)花のつくりとはたらき
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
6.その他
(4)実験・観察・調査から
(682)バナナツリー

(バナナツリー全景)
「お天気もいいし、風も気持ちいいね。」
「そうね。お花もいっぱい咲いているし、遠くのお山も緑一色で、とてもきれいですね。モンタ博士!」
「そうだね。本当に今の季節は、てくてく散歩するのに最高だね。歩けばいろいろな発見もあるだろうね。」
「くんくん。う、う、う、あれ? あれあれあれ?」
「どうしたの。何か発見したの。」
「何かこのへん、とてもいいにおいがしない?」
「そうね。あまい感じでとてもすてきな香りですね。でも、どこからこの香りが来るのだろう。」
「あっ! 分かった。この木だね。まちがいない。」
「どれどれ、どれだ? あっ、この木だね。もっと近づいてみよう。」

(バナナツリーの葉と花) (バナナツリーの花のアップ)
「あった! この木ですね。クリーム色の花で、さわやかなよい香りですね。」
「花の周りがちょっと赤いよ。おしゃれな感じの花ですね。」
「それにしても、いい香り、わたし気に入りました。」
「バナナのようないいにおいの木だね。何という名前の木なんですか。」
「名前は、今、オー君が言ってくれたよ。これはね、バナナツリーというんだ。」
「そうなんですか。何かの本で見たことがありますが、これがバナナツリーなんですね。初めて見られてうれしいです。」
「バナナツリー? バナナがなるのかな? そんなバナナ! なんちゃって。このダジャレ、どうですか。あまり受けないかな。ちょいとすべっちゃったかな。」
「いや、そんなことないです。とてもいいです。久々のヒットね。ところで、バナナツリーという木の正しい名前は何というのですか。」
「正式な名前は、『カラタネオガタマ』と言うんだよ。カラタネとは、『空たね』ではなくて、『唐たね』で中国原産ということなんだ。もともとは日本の木ではないんだ。バナナツリーというのは、別名、あだ名みたいなものだね。」
「なるほど、そういうことですか。バナナツリーという名前はぴったりですね。」
「花の中はどうなっているのかな。知りたいな。見たいな。」
「そうだ。今から花の解剖をしてみようよ。ドクターモンタ先生! お願いします。」
「はい。OK。わたし、失敗しないので⋯⋯。まかせなさい。」
「ドクターモンタ先生! 手術はどうですか。」
「いつものように、バッチリです。わたし、失敗しないので⋯⋯。ところで、花を見て何か気がつくことはないかな。」

(カラタネオガタマの解剖)
「真ん中に棒のようなものがありますが⋯⋯。何ですか。」
「緑色しているけどね、これはね、めしべの集まりなんだよ。」
「ということは、たくさんあるちょっと細い感じのものは、おしべですか。」
「そのとおり。植物というものは種類によって、花びらの数はもちろん、めしべやおしべの数などもだいたい決まっているんだよ。」
「それは、植物の世界には、規則性があるということですね。」
「そうだね。このバナナツリーはね、マグノリアと言ってね、モクレン科の植物で、モクレン、ホオノキ、コブシと同じ仲間なんだよ。」
「それじゃ、モクレンの花も同じような形なんですね。そうだ、今すぐに探しに行ってきます。」
「あっ! ちょっと待って。モクレンなどの花はもう終わってしまっているんだ。そうだ。ちょいと待ってね。あの花ならまだあるぞ。」
「あの花って、何だろうね。オー君。」
「さっぱり分からん。分からん木(ぼく)⋯⋯【分からないという意味】なんちゃって!」
「分からんぼく⋯⋯いいね。いいね。今日は決まっていますよ。」
「さあ、よく見てごらん。これはね、チューリップツリーというものなんだ。」
「えっ! チューリップ? バナナの次は、チューリップですか。」
「お花がチューリップみたいなので、そう呼ばれているんだよ。正しくはユリノキと言うんだ。見てごらん。同じような花の作りをしているよ。」

(ユリノキ)
「本当ですね。花の形はそっくりですね。」
「そうですね。よく分かります。でも、ぼくは、今、急に考えたというか、疑問に思ったのですが、本物のバナナって、どんな木なのかな? ということです。」
「そうか。分かった。それでは、次回はバナナの草についてお話ししよう。」
「えっ! バナナの草? どういうことですか。」
カラタネオガタマ(バナナツリー)の独り言
私の
故郷は、
中国南部の
暖かな
所なんです。だから、
寒さはちょっと
苦手かな。あまり寒い所だと
育たないのでご
承知おきください。マグノリアの
仲間って、
結構、
背の
高い
物が
多いけど、私はその
中では
特に背が
低くて、せいぜい5~6
mくらいにしかなりません。
葉はよく
茂り、
花をよく
咲かせるんです。私の
特徴は
何と
言っても、バナナのような
香りよ。お
庭や
生け
垣にも
利用されているのよ。また、
神社の
境内などでもよく
植栽されているわ。
江戸時代の
中頃に
中国から
来たけれど、
今やあちこちに
植えられていて、
日本でもよく
知られるようになってうれしいわ。
花の
咲く
時期は、4
月終わりから5月の
中旬頃までかな。コブシやモクレンが終わって、タイサンボクが咲くちょっと
前、
中間ぐらいかもしれないわ。花の
直径は2~3
cmくらいで花びらが
厚くクリーム
色ね。それからオー
君も
言っていたけど、
縁がほんのりと
紅色を
帯びているのよ。ちゃんと
身だしなみというか、お
洒落をしているのよ。
香りがほんのりとしていて、
甘ったるさがそれほどきつくなく、
嫌みのない香りよ。まだの
人は、そのうち
私の香りを
味わってください。また、その
日まで
⋯⋯またお
会いできるまで
⋯⋯。ね!
失礼しました。
(カラタネオガタマより)